残照を歩く

彼岸にもそれなりの日常風景があるらしい。

FIND THE WAY

 ひょんなことから、元S.E.S.のパダさんが中島美嘉の「FIND THE WAY」をカバーしていたのを知りました。PVのほうは、山林火災で女の子を救助した時に失明してしまった消防官の青年を主人公とした、ミニドラマ仕立てとなっております。もしかして韓国語の歌詞がこの内容に近いのでしょうか(韓国語はさっぱりなのでわかりませんが)。


BADA - Find The Way MV - YouTube

 

 2002年まで活動していた韓国の女性ユニットS.E.Sは、1999~2000年頃に日本でも活動していましたが、いまいち人気が伸び悩んでいたようで、Wikipediaのほうではプロダクションが後にBoAや少女時代を日本で売り出す時に、S.E.S.の時の轍を踏まないように戦略を練ったような話も出ております。ちなみにS.E.S.の日本でのデビューアルバム「REACH OUT」はなぜか我が家の片隅にも眠っておりまして、先ほど掘り出してしみじみ聴いておりました。

 一方「FIND THE WAY」の原曲のほうは、『機動戦士ガンダムSEED』の最終クールのエンディング曲としても使用されておりました。特に最終回のラストで流れた時には、あわや人類絶滅という瀬戸際で辛うじて戦火を食い止めたはいいものの、凄惨な戦いに身も心もすり減らしてしまったキラやアスランたちを静かにいたわるような曲調と歌詞が、物語全体のクロージングテーマとして実によくフィットしておりました。最近製作されたSEEDのHDリマスター版では後半のエンディング曲がFictionJunction YUUKAの新曲「Distance」に差し替えられていましたが、さすがに最終回(と別のもう一話)のエンディングは「FIND THE WAY」のまま変更されなかったようです。

 一方は消防隊の青年と少女のかすかな絆、一方は絶望的な宇宙戦争の中でも最後まで僅かな希望を捨てなかった少年少女。ストーリーこそ違えど、どちらにも何となく似つかわしく感じられる曲です。