残照を歩く

彼岸にもそれなりの日常風景があるらしい。

未だ見ぬ景色への懐古

  佐野元春の「Young Bloods」という曲はリアルタイムで知っていたけれど、ごく最近になって当時撮影されていたPVを初めて見た。

 そのため、私にとってこのPVに映されている光景は、すべてがごく最近になって初めて見たものばかりのはずなのに、何故か奇妙な懐かしさを覚えた。恐らく、歳若い人がしばしば『三丁目の夕日』のような映像に懐古的気分をかき立てられるのとも共通しているのだろうが、私にとっては、佐野やバックバンド(ハートランドの皆様かな)の衣装、PVのストリートライブを取り巻く人々のファッションや髪型などといった、PVに映し出されている風景全体が、私も生きていた30年前の空気感を強く想起させる懐古的な気分に満ちているのだ。